《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
「社長…いつも、二人のコト…気にかけています」


「・・・だったら、どうして帰って来ないのかな?」


「それは、美苑夫人に余計な仕事、増やしたくないみたいで」
俺は寂しげに呟く美苑夫人を見つめ、必死に相馬社長をフォローした。



「互いに夫婦なのに、どうしてそう変な所で気を回すのかしら?」


「俺にも分かりません」


「着替え…持ってくるから待ってて…」


「はい」


美苑夫人は俺をリビングに残して、奥の部屋に行ってしまった。



美苑夫人の言う通り。
相馬社長は夫婦なのに、他人行儀だよっ。


「!?」


テーブルの下に小さな紙切れが落ちていた。
紙はコピー用紙みたいな感熱紙。



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