《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
智成はマジで、彼女に電話を掛けた。


「君が柏木さん?初めまして、弟の智成です。兄貴が失礼なコトしたようで、兄貴に代わって謝ります」


いきなり、智成は余計なコトは口にした。


「兄貴の好きな紫陽花の花言葉は移り気だけど…紫陽花は成長段階で花の色を変える花なんだ」


紫陽花は智成の言う通り、初めは薄緑色、次は白色、やがて紅色を帯びて、紫碧(シヘキ)色に変化する。



色がだんだん変化する為、紫陽花は別名『七変化』とも言われてる。


『移り気』と言う花言葉はその花の色の変化に由来していた。

成長段階の最後に咲く紫陽花の花は最も、美しい花を咲かせる。


「兄貴は女癖悪いけど…紫陽花の成長段階の最後に咲く花として、君を選んだ。今の兄貴にはこの世界の中で、君がいちばん美しく見えているってコトだ…もう一度、兄貴と話してくれないかな?」

「!?」


智成が俺にケータイを渡した。

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