《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
「いつになっても、身体が強張るな…俺が嫌いか?」



「嫌いじゃないけど…殿方に触れられるコトに慣れていないだけです」
彼の突き刺すような視線に怯み、声が小さくなっていく。


「・・・だったら、何で?俺と一緒の時にレポートなんて書いてんだ?」
智成さんはキレて、私の目の前のレポート用紙を奪った。



「!!?」

皆、私の顔色を見て行動するのに。
智成さんだけは違う。


私は彼に振り回されていた。


「時間ねぇや」
智成さんは壁に掛けられて時計を見て、私にレポート用紙を返した。


「じゃあな。紫穂」

「待って…本当に慣れていないだけで」


「わかってる。つい、つれないお前に意地悪なコトしただけだ。わりぃな。紫穂」


「・・・」


彼は仕事に出かけてしまった。
私は一人でレポートを仕上げた。

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