《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
久しぶりの逢瀬。


「これ、土産だ」


「!?」
彼は私にピンク色の可愛らしい加賀友禅のポーチをくれた。


「金沢で買った…紫穂に似合うと思って」


「ありがとう」

逢瀬場所はいつもの自習室。
今日の智成さんは上機嫌に笑っていた。


あの日からもう1ヵ月が経っていた。
私たちは時間ばかりが無情に流れるカップル。



私は思い切って、智成さんに抱きついた。


「いきなりどうした紫穂?」


智成さんは私の抱きつきに切れ長の瞳を見開く。



「だって、あ…グラビアアイドルと浮気したのは、私がつれないから…」


「菜由のコト、気にしてたのか?」


「私よりも胸あるし、スタイルだって…華があるでしょ?」

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