《続》跡目の花嫁さん~家元若旦那の危ない蜜月~
「相馬常務は社長は横暴で闇雲に、ビジネスを幅を広げていると嘆いてるいるが、ジェネリック医薬品を大手薬品メーカーとして、いち早く取り入れて、次世代の医薬品業界を見抜く力は大きく評価してる。でも、ジェネリックは日本では敬遠されがちで、ビジネスとして利益を上手に生み出せてないのが、俺も残念に思う。新規事業にはコストがかかる。相馬常務もそれをずっと、気にして化粧品業界の参入を反対し続けてる。ウチと提携を結ぶコトで、コストダウン出来たらいいな。ウチも化粧品に医薬品の知識を取り入れたいと思っていた所だ。俺の一存では決められない。早速、社に戻って、検討してみるよ」



ウチの相馬社長、濱部社長に負けていた。
威風堂々とした濱部社長の言動に俺は言葉を失った。



「俺は沢山の社長に見て来ましたが…一緒にずっと、仕事をしていきたいと思った社長は、濱部社長だけです」


栗原さんが俺に小さな声で呟いた。



濱部社長はソファーを立って、扉に向かった。


「…今日1日は大目に見るけど、明日からは俺の秘書だからな。栗原」


「はい」


栗原さんは素直に頷き、返事をした。



「緑川…濱部社長をエントランスまでお送りしろ」


「承知しました。社長」






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