背徳性理論
 

「私が、一番」
「そう」
「私が、ユメ君の」
「そうそう」
「……私、人のもの程良く見えちゃうんだよ。自覚はあるのに、直さないんだよ」
「叶美の中でも俺が一番だから、もうそんな心配はないだろう」


夢人の言葉に、叶美は呆気に取られたように「あ、そっか」と呟いた。
叶美は腫れかけた瞼を擦って、夢人に再びもたれかかる。


「コンビニ行くか」
「え」
「何か食べたい」
「私ね、シュークリームが良い」
「俺はやっぱりメロンパンかな」
「あっ待って、私もメロンパンが良い」
「じゃあ俺がシュークリームな」
「駄目っ、私のシュークリーム」
「そう言うなら俺のメロンパンだ。全く、本当に人のものが良く見えるんだな」


夢人はおかしそうに笑った。

夢人は叶美を再び抱き締めて、言った。


「それじゃあコンビニ行くか。メロンパン買いに」


end
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