だってボクらは、生きている。~ギャング・エイジ~(脚本)
4. 車内
マアサN「東京から三時間と少し、私は母親が運転する車に揺られて山奥にやってきた。





高速を降りてからは茶畑と民家が点在するだけで、山道に入ると飽きるほどのカーブの連続だった」






チハル「マアサ。もうすぐ着くからね」





マアサ「………うん」





チハル「マアヤに会うのも久しぶりだよね。年末に来た以来だから半年ぶり―――?」





マアサ「―――ママ。気持ち悪い」





チハル「え?  大丈夫? 吐きそう?」





マアサ「………大丈夫。我慢する」





チハル「車の中で本読むからじゃないの?」





マアサ「だって宿題だもん」





チハル「読書感想文? 何読んでるの?」





マアサ「………走れメロス」





チハル「太宰治か。割りと難しいの読んでんのね。面白い?」





マアサ「―――つまんない」






マアサM「友達のために一生懸命になるなんて」




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