赤い薔薇の下で【六花の翼コラボ】




そこに納められているのは、ブラウンの髪と瞳を持った、どこか儚げな印象を持つ少女――…



「………コートニー」



イギリスに置いてきた最愛の恋人を思い出したオーリィは、ふと足を止めて空を見上げる。



『……そや。俺もアイツに校章送ったろ』



ついでに、手紙も書こう。


こっちで元気にやっている事。賑やかな友人達の事。


……好きな相手に校章を送る意味も、もちろん忘れずに書かなければ。


オーリィは、コートニーが手紙を受け取った時の反応を想像しながら、首元の校章を制服から外した。


そして。



青い空に放り上げられた


赤い赤い薔薇の下


オーリィは、幸せそうに微笑んだのだった。









< 95 / 97 >

この作品をシェア

pagetop