君が好きとか、ぜったいないからっ!
金色のあなた
え…、な…にあれ?


目の前には二人の男の子。


でも少し、いや、だいぶおかしい。



金髪の男の子の顔はあざだらけ。口から血を流してる。


「けんか…?」


殴り合いをしている。


どうしよう…?先生呼んだ方がいいかな?怖いよ。

「だれか…!」

ダメだ…。ここ、学校の裏だもん。誰もいないよ…

どうしよう。どうしよう。

殴り合いなんて初めて見る。どうしたらいいんだろう?

「始業式の朝から喧嘩なんて…」


あ…れ?


なんか、すこし変。

これって、喧嘩…




………じゃない!!


「ちょっと!!!!」 


私は思いっきり金髪くんのほうに走っていった、


「やめなよ!!こんなことして恥ずかしくないの?!」

両手を思いっきり広げて金髪くんをかばおうとする。



こんなの…こんなの…



いじめだよ。


最初は気がつかなかったけど、ずっと一方的に金髪くんが殴られていた。

「大丈夫ですか?」

私は、小鳥の刺繍がしてあるハンカチ金髪くんにをそっとさしだした。

あーあー。これ、お気に入りだったのに。

しかも、殴ってた黒髪の人怖そうだよ…


でも、黒髪の人の方を向いて大声でいった。



「こんな、一方的な暴力ってどうなんですか?どんな事情があって、こんな事になったのかよくわかりませんけど、これって犯罪ですよね?それに……」


はっ、と口をつぐむ。


黒髪の人に睨まれて、私は言葉を続けることができなかった。

ぞくりと鳥肌が立つ。


その場から動くことも、視線をそらすこともできなかった。

なのに、足だけは小刻みに震えている。


全身が きけん といっている。

< 1 / 13 >

この作品をシェア

pagetop