君が好きとか、ぜったいないからっ!

王子様

『俺、B組の白糸 翔。よろしくね』

白糸くんの声、笑い方、優しい笑顔…

白糸くんは、なにが好きなんだろう?好きな食べ物は?好きな本は?どんなことで笑って、どんなことで悲しくなるんだろう?


知りたいな…

「ねー。碧ー。」

「うぇ?!なっ…なに?!楓!!」

「って、驚きすぎ。どうした?ぼぉっとして。顔悲惨だったよ。」

「うそっ?!」

お思わず手で頬を隠す。


…ぼぉっと、してた…かな?

白糸くんのこと、考えてただけなんだど…


ん?


え、ちょっとまって…白糸くんのこと考えてたって…まさか私…

って、ないないないない!

白糸くんとは今朝初めてあったばっかりだし!

ちょっとしかはなしてないし!

一目惚れとか私のキャラじゃないし!


「ほんと。変顔並だったよ」

楓…。

その一言で現実に引き戻される。

楓はニコニコ…というか、ニヤニヤ…っつーかバカにしたような笑い方で話しかけてくる。

「なんでもないよー。っていうか、なに!?その顔!?親友にそんな冷たい視線を送らないで」

「いっやー。碧が珍しく頭使ってるからびっくりしてさ。」

「ちゃんといつも使ってるよー!授業中とか、テスト中とか!」

「この間の数学何点だったけー?」


「うっ…。出来たかどうかはおいといて…頭は使ってますー!」

「じゃあ、次の定期テストでは楓の数学の勉強手伝わなくっても大丈夫かなー。」

……独り言のようにこんな恐ろしいことを平気で呟く楓は鬼だ。


なんて言いながら、楓とじゃれ合っていると…


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