君が好きとか、ぜったいないからっ!
「あ…。今朝の…。」


後ろから声がして振り向く。



…どきん



「え?王子様?!」

拍子抜けするほど間抜けな声を出した楓。

さっき私のこと悲惨な顔、ってからかったけどあんたも人のこといえないよ。  

でも…。なんで、白糸くんが体育館に…?

戸惑う私を無視して、白糸くんはまっすぐ私の方へ向かってきた。

「今朝の人…だよね?」

「え…あ。うん。」

びっくり。

だって、学校のアイドルが私になんかに話しかけてるんだもん。

「今朝は本当にありが…「きゃーー。王子様だっ」

誰かの黄色い声が白糸くんの声をかき消す。

「なんで?なんで?」

「王子様と話してる子だれー?」

「王子様かっこいいー。」

気がつくとまわりには女子がわんさか集まってた。

ま…。

そりゃ、そうだよね。

“王子様”だもん。

なんか、嬉しいなぁ。

何がなんなのかよくわかんないけど、すっごい満足感。

私って変かな?
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