わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
…どこ?

周りを見渡すが、彼はいない。

知らない人が通り過ぎるだけ。

そのとき、そらが急に曇った。

いや…

正確にはわたしの上だけが。

足元に目を向けた。

そこには…

わたしの体を横切るように、

影ができているのが見えた。


上か…

どうしたらいい?

いや、彼は霊なんだ。
てことは、どこに逃げても無駄。

彼から逃げる場所なんて、

ない。

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