わたしは彼を殺した、そして彼に殺される
…と思ったとき、背中に風を感じた。

下から風が吹いてくる。

とっても、強い風。

でも、とても暖かい空気が。

落ちる速度がゆっくりになる。

木の葉がひらひらと舞い落ちるように…

わたしの体がゆっくりと落ちていく。

2階を通り過ぎるときには…

まるでだれかが背中を抱きかかえてる、

そんな感覚だった。

そして…

寝かされるようにそっと

わたしの体は芝生 の上に、止まった。
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