楓 ―KAEDE―


キョロキョロと、
黄色い光を探したけれど、
やっぱり見つからない。


「……カエデは?」


俺様、
ちょっと泣きべそ。

せっかくお友達になれたのに。



「――じぃちゃん!!カエデはっ?俺様のカエデは!?どこ行っちゃったのぉおぉっ!?」

『…おやおや…』


風が届けたじぃちゃんの声は、
困ったように笑ってた。



『…カエデならそこに居るよ。意地悪しないで話してあげなさい、カエデ?』


クスクス。
クスクスクス…


目の前の、
赤く光る樹が、
風に揺られて笑ってた。


「……?」

『あたし、カエデだよ?色が赤く変わったんだよ?』


「……――えぇえぇぇっ!?スゴいのねっ!!スゴくないっ!?なんでっ!!どうして!?ズルくない!?……俺様も変わりたい。」


俺様、
ビックリよ?


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