楓 ―KAEDE―



「……どして?」

俺様は首を傾げて、
カエデに聞いてみた。



『ちょっとだけ寒くなったから、コンちゃんと会わない間に赤く変わったんだよ?』

「……寒くなったから?」


自分の黒い毛並みを、
キョロキョロと、
マジマジと何度も見たけれど、

俺様は、黒いまま。


「……ぶぅ」

カエデばっかりズルくない?



「……俺様も、黒、飽きた。」

『…ははは。そりゃ、ちと無理じゃの。カエデはな、3色に変わるんじゃよ』


じぃちゃんが、
空から緑色を降らせて笑った。


「……ぶぅ」



カエデは、
緑色と、黄色と、
赤色に姿を変えるんだって。


お花じゃないのに、
七色に光る花畑みたいで、

ちょっとステキすぎ。


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