赤い糸のその先は…。

さっきから課長は、私の手を掴んで黙々と歩いている。


まるで、手を引かれている幼稚園児だ。


私が立ち止まって課長を見上げると、


課長も私に引っ張られるように立ち止まった。


不意に立ち止まったから、ようやく課長が私の方を見てくれた。


「腹減ったな。飯でも食べに行くか?」


「車はどうするんですか?」


「あぁ、明日にでも取りに来るよ。今日は飲みたい気分なんだ。」


「なんで、課長が?」


「...そうだな、飲みたいのはお前の方だろうな。」


あいにくと、飲みたいけど飲めないんだよね。


だから、お酒に逃げるって事はしたことがない。


でも、なんとなく飲みたい気分かも。


「でも、課長。私はまだ二十歳になってないんですよ?」


「...そうなのか?」



< 111 / 238 >

この作品をシェア

pagetop