赤い糸のその先は…。

静まり返った部屋の中で、ケータイの着信音が鳴り響いて飛び起きた。


うわっ! 誰?


着信相手を確認したら、課長だった。


一週間ぶりだ。


「もしもし?」


「俺だ。」


「オレオレ詐欺だったら、お断りですよ?」


「...おまえなぁ。」


クスクスッ。 前にもこんなやり取りがあったよね?


「あのね、久しぶりに課長の声が聴けて嬉しいかも。」


「...そうか? 一週間離れただけで、もう俺に会いたくなったか?」


「うん、毎日会っていたから、会わないと物足りない感じ。」


「じゃあ、今すぐ逢えたら嬉しいか?」


「ふふっ。 すっごく幸せかも。」


でも、出張が終わるのはまだまだ先だもんね?


今日は、声が聴けたから、それだけでグッスリと眠れそうだよ。


茶太郎と一緒にね。


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