赤い糸のその先は…。

「それじゃあ、玄関を開けてくれないか?」


「えっ? 玄関?」訳が分からず、しばらく無言でいたら...


寒いから早く開けろっ!って言う強引な言葉が聞こえた。


課長の命令口調にビックリして、いつもの会社での条件反射で、


あわてて下まで降りて行った。


玄関を開けると...


「ただいま。」って優しい顔をした課長が立っていた。


「何でいるの?」


「お前に逢いたくなったから。」


そう言いながら、冷え冷えの体で抱きしめてきた。


「ううぅぅう、 課長、冷たいよぉ。」


「だろ? だったら、お前が俺を温めろ。」


せっかく茶太郎を抱っこして温まった体が、


課長のせいで一気に冷えてしまった。


「うれしいか? 幸せか?」って訪ねてくる課長に、


素直に、自分の心が感じたままを言葉にした。


「うん、うれしい。 スッゴクしあわせ。」


だぶん、私は今まで生きてきた中で最高の笑顔をしていると思う。


課長は、そんな私をいきなりお姫様抱っこをして、


「俺も、うれしいよ。」ってキスをしてくれた。

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