私と先輩。
「それ、拾ってくれたの?」
前を見ると、ニコニコ笑っている先輩がいた。
多分、柏崎先輩と一緒にいるから、この人がある意味有名な佐野先輩だろう。
「あ、どうぞ」
私が学生証を渡すと、なぜがニヤニヤしている佐野先輩。
「?あの」
「仁がよく話してる子って、この子?」
え?
心臓が、痛いくらいはねてる。
「…うっさい」
ベシっと佐野先輩の頭を叩く柏崎先輩。
「あ、俺佐野大祐って言うんだー。よろしくね」
ニコニコと笑っている佐野先輩。