お姫様に花束を


「これ……」


アルバムを開けてみると、中には全てこの町で撮られたと思われる写真が何枚も貼られていた。


初めは前国王夫妻……そしてその子供たちである今の国王様と妹君のミランダ様。

そしてその二人がだんだんと大きくなっていき……


国王様が大人になられた頃、国王様の隣に綺麗な女性が寄り添って写っていた。


「この人は……」

「若い頃の王妃様よ。
……きっとまだお兄様も生まれてない頃の写真ね……」


もう一枚ページを捲ると、国王様と王妃様の間に小さな男の子が……そして、国王様に抱っこされながらこちらに笑顔を向けるこれまた小さな女の子の写真があった。


「………………」


カノンはその写真をまるで吸い込まれるかのようにじっと見つめていた。


「……ロイ様と……この女の子はカノンだな」


父親に抱かれ、幸せそうに笑っている……普通の三歳ぐらいの女の子。


家族四人で幸せそうに写っている……どこにでもいるありふれた……だけど、カノンが望んでいた家族の姿がそこにはあった。


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