ぬくもりをもう一度
肩をグルグルと回して

頭を左右に振りながら

この部屋を抜け出す

ところを見ると、

きっと上司は

喫煙スペースにでも行くんだろう。


ヘビースモーカーで

有名な上司は、

15分に一度くらいの

ペースでこうして席を外す。


その際、決まって

俺に仕事を託していくのだ。


「なんだよ……ったく」


周りに聞こえないように

小さく吐き捨てると、

息をすうっと

静かに吐いて少しだけ

背中を反らせた。




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