ぬくもりをもう一度
そうっと、

香澄が俺に身体を預けてくる。


そのぬくもりをひしひしと感じながら、

目の前に広がる夜景を眺める。


右側にレインボーブリッジ、

その横にお台場の大観覧車。


道を通る車のライトが、

街全体にリボンをかけているように映る。


その煌びやかな宝石箱の奥には、

静かに東京湾がすっぽり包み込んでいる。


ここに来てよかった。


夜景を見つめながら、

俺は心の底からそう思った。


きっと……。


きっと香澄も隣で俺と同じことを

思ってくれているはずだ。


俺たちは言葉を交わすことなく、

ただじっと東京の灯りを見つめていた。






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