ぬくもりをもう一度
俺が所属していたサークルは、

毎年、中庭に

DJブースを出しながら

隣でなぜかたこ焼きを売っている。


俺は真っ直ぐに中庭へと足を運んだ。


「あ! 阿久津さん」


「よう」


俺に気付いた後輩ヤロウに、

軽く手をあげて挨拶を交わす。


そいつは俺を満面の笑みで

迎え入れた。


このサークルは、

あまり上下関係を

気にしていないのもあって、

たとえ年上であったとしても、

“先輩”ではなく

“さん”付けで呼ばれるのが

当たり前だ。


だから今も、

こうして俺は“阿久津さん”

と呼ばれている。


あまり面識がない後輩だけれど。





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