ダイヤモンドの誘惑
・・・

それから数日。

何をしてても、

身が入らない。

・・・

溜息ばかり出て、

宝石たちに目を向けると、

もっとちゃんと仕事をしろよって、

言われてるかのようだ。

・・・

私は首を振り、

また仕事に戻る。

・・・

「体調が悪いんですか?」

上田さんが、

優しい口調で尋ねる。

・・・

「いえ、大丈夫です」

何とか笑って見せた。

・・・

でも上田さんは、

何かを見透かしたように微笑んだ。

「明日も仕事はあるんです。

少し早いですが、もう上がってください」

「でも・・」

「いいから」
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