先生。

集会



毎日が平凡で、淡々と時は
過ぎていった。

体育では大嫌いな陸上は無事終わったが、
またもや大嫌いな水泳に入っていった。

でも明日からは夏休み。

夏休みは部活の予定でギッシリ。

万莉奈が入っているバレー部はなぜか、
今年からすごい練習が増えたらしい。

先輩の話によると、今年の選手たちに、
先生は期待してるんだって。

期待してくれてるのは嬉しいけど、
練習増えるのやだなぁ…。

夏休みと言ったら遅寝遅起きが
普通なのに。

今年は早寝早起きじゃなきゃ体が
持たないよー。

そんなことを考えてるけど、一応今は
学校集会の真っ最中。

明日から始まる夏休みの過ごし方について
色々な先生が交代交代で話している。

今、万莉奈達の担任の先生が話し終えたところ。

次の先生は…。

あ、中嶋先生だ。

万莉奈は何となく背筋を伸ばして、真剣に
聞く体勢をとった。

中嶋先生には、ちゃんとしている
自分を見てもらいたかった。

何でだかは分からないけど…。

それに、見てるかどーかも
分かんないし。

「えー、こんにちはっ。明日から夏休み
ですが、遅寝遅起きや運動不足など、体
に悪いような生活は勿論ダメですよ。」

他の先生の話は全く聞こうとも
しなかったけど、不思議と中嶋
先生の話はよく頭に入ってきた。

やっぱり顔とかがカッコいい人って
声までもがカッコいいんだなぁー。

そんな馬鹿なことを考えながらも、
先生の話をしっかりと聞いていた。


長い集会もやっと終わり、あとは
教室に戻って帰り学活をするだけ。

そのあとはまた部活かぁー。
ダルイなー。

立ち上がってぼーっとしながら
体育館の出口に向かってると、
いきなりりっちゃんが、

「万莉奈!前!」

と言った。

「んー?」

正面を見るとpumaの黒いTシャツが目に入った。
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