赤い月 肆
純真無垢

「おまえ、神サマにあんな格好させてるとか…
地獄の口は開いたな。」


ハイ、毒ガス食らいマシタ。

校内放送で待機指示が出たにも関わらず教室に戻らない五人を心配して、何度も携帯に連絡をくれていた大吾も、家に呼んだ。

いつも通りの裸Yシャツだが、もう彼らの前で人間に化けるのをやめたうさぎを眺めながら景時の説明を聞いた大吾は、怯えるでもなく、逃げ出すでもなく、呆れたように毒ガスを吐いてくれた。

祥子はうっとりした顔でうさぎの銀髪を弄くりまわしていたし、小鞠は夕飯の支度をするうさぎを甲斐甲斐しく手伝っていたし…

あんなにもうさぎが鬼だとバレることを怖れていたのが、馬鹿馬鹿しく思えたほど。

順応性の高い友人たちに、景時は心から感謝した。

その後秋時も合流し、いつになく人口密度が高い景時の部屋で、事情聴取兼夕食会が始まった。

事情聴取といっても、祥子と小鞠が興奮気味に一部始終を詳細に語ってくれたので、ただ聞いているだけで良かったのだが。

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