君との幸せな心愛
 宏樹は、目を合わせない以外は、いたって普通で、とても不登校児だったとは思えない。
かえって慎重になりすぎないほうがいいのか、と思うほどであった。

「宏樹くん、今日は1限目桃の英語なので、そこから、教室に入って授業受けてね。」
これは、宏樹の父親が、「担任の先生の授業から、受けさせてください。」というお願いがあったからだ。

前の学校で担任との相性が悪かったため、それを気配りして欲しかったようだが、桃と話をして、この先生なら、このやり方がいいのでは?とその場で思ったらしい。

桃も、不登校児はたくさん受け入れ、なれているので、宏樹とまず桃が仲良くなるのが一番だと思っていた。

相手の心を読めるようになれば、生徒はすぐに桃になついてくれる。
そしていつもの「こんな先生初めて。」とお決まりのフレーズを言われるのだ。

これは、ネットの世界でも同じ。
「桃先生に会ってみたい。」「桃先生の授業を受けてみたい。」

ありがたいことにそんな嬉しい言葉をいつもかけてもらっていた。
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