AZZURRI~AZZURRO番外編~
「幼い子供を蹴り飛ばすなど
非道極まりない。
お前のような男は見るだけで虫酸が走る。二度とケシャと兄弟達に近づくな!」


決して大きくはないが
凄まじい怒気を含んだ低く冷たい声に
チャルスはヒッ!と小さく悲鳴をあげて
馬車にも乗らず走り去った

その姿を見て小さくため息を守らすジャンはケシャに視線を写す

「大丈夫か?」


「…はい。
あの、どうしてここに?」

「ユキノ様にケシャの様子を見てきて欲しいと頼まれたのだ。」

いつもと変わらず答えるジャンに先程の凍えるまでの怒気はない

しかし
ケシャは疑問を持つ

自分の様子を見るだけなら
侍女や私兵でもいいはず

何でジャン様がいらしたのだろう?


そんなケシャの思いを感じたのか
ジャンはカムイを胸に抱え直す
そしてそのままケシャの自宅に向かって歩き出した

「…ケシャが心配だった。」

その背中からポソリと聞こえた声

それはケシャの心を震わせた
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