AZZURRI~AZZURRO番外編~
市街地をそれて海岸線を歩く
貿易都市であるハジェンズは港も活気づき
異国の物も多く見られるので見ていて飽きない


「あ、あの耳飾り!ポールさんに似合いそう。」


そう言って雪乃が露店へ駆け寄った


最近は良く笑うようになられた


雪乃の後に続きながら
ポールは雪乃と出会ったばかりのころを思い出した

いつもどこかに影があって
何か見えない壁があった

しかし
クリス様と過ごされるようになって
以前よりも親しみやすく
明るく活発になられた

…たまにその活発さで困る事もあるが…

それはつい先週の事
元々使用人と一緒に屋敷の事をするのが好きだった雪乃は
ついに、洗濯にも手を出した

自分のドレスや寝具だけならつゆ知らず
近衛兵の衣類まで洗いだすものだから

ポールは慌てて自分の物を下げにに行ったのだった
さすがに自分の汚れ物を洗わせるわけにはいかない…

しかし
一足遅れたゴルチェは雪乃にしっかり下着まで洗われて干されていた
それを知ったゴルチェの姿は後世に語り継がれるだろう

思わず口元が緩みそうになるのを堪え
雪乃の後ろから露店の商品を覗いた


「これ、ポールさんに似合うと思うんです。」

雪乃が満面の笑みとともに手に取って見せたのは
赤い宝石が埋め込まれたのイヤカーフだった

ポールはアクセサリー類をほとんど付けないため
そう言ったことには無頓着だった事もあって
雪乃に魅せられてもピンとこない

「…そうですか。」
とりあえず変死を返したが
その返事だけでも雪乃は満足したようで

「じゃあ、はい。
いつも護衛していただいているお礼に差し上げます。」

とポールの手にイヤカーフを落とした
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