野球嫌いなあたしと、先輩。
「……何で嫌い?」


「智が一生懸命してるから」


は?

好きな奴の好きなものって、普通好きにならない?


「……智はそれ知ってんの?」


「智は何も知らないよ……何も」


真っ直ぐ俺に向けられた目は、迷いなんて感じさせない強さがあった。

前しか見てないような瞳。


理由なんか分からない。

もしかしたら、ないかもしれない。


でもその目が、俺の頭から離れなくなった。
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