野球嫌いなあたしと、先輩。
3回表:あたしからのヒント
今日の朝はなぜか早くに目が覚めた。

あまりにスッキリ起きたから、二度寝する気も起きなかった。


ゆっくり準備して、いつもよりだいぶ早いけど学校へ向かう。


智は昔からとにかく朝が弱くて。

あたしはいつも教室の窓から、全速力で駆け込む智を眺めて楽しんでる。


それにしても今日は早過ぎたかな……なんて考えてたあたしの耳に、ある音が聞こえてきた。


たぶんいつものあたしなら無視してた。

けど、今日は自然に足が音の方向に向いていた。


ーーカキンッ!

ーーカキンッ!


そこに誰がいるのか気になった。


野球ボールを一人黙々と打ってるのは誰なのか。
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