わたしの前から突然、消えたモノ…
えっ?

まだ、わたし夢のなかなの?
でも、こんな悪夢なんていらないし。

ねえ、早く目を覚まして、わたしっ。

と、下を向いたとき、

どうかした?

カレが肩を叩きながら言った。
カレの手の感覚あり。

これは…現実。

立ち上がって、カレを見る。
やっぱり、顔はない。

わたしは周りに目をやった。

すると…
どの人も、首から上が消えている。
透き通って、向こうの景色が見える。

カレだけじゃないんだ。

もしかして、わたしの顔まで???

あわてて、鏡を取り出して見てみる。
あ、わたしの顔はちゃんとあった。

ほっ。

カレが言う。

鏡なんか見て、どうしたの?
今日の感じすごく可愛くていいよ。
鏡を見ないで、その可愛い顔で…
こっちを見てくれないかな?

彼女としてはとっても嬉しい言葉だね。

だけど、今の状況では喜べないし。

じゃ、行こうか、

と積極的にカレが手をつないでくる。
初めてのカレの手の感触。

ふつー、嬉しいはずだよね?

でも…なんで、こんなに震えなくちゃいけないの。

それを察したのか、
カレがまた優しくささやく。

少し手が震えてるね。
緊張してるとこがまた、可愛いよ。

いえいえ、違うんですけど…
とは、口には出せず、

わたしは、手を引かれるがまま
カレについていく。
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