社長の吐息プラチナの甘美な囁き

ー早祐sideー

夜の帳の下りた海は静寂に支配される。


『クィーンエメラルド号』は海面を静に滑る様に船行していく。



船内は船の動きとは逆に喧騒に包まれていた。



今宵はウェルカムパーティが催されていた。



三層分の吹き抜けなったダイニングルーム。


ルームの一角で船付きの楽団が優雅な演奏を奏でいる。



飛び交う言葉はドイツ語、英語、フランス語と外国語ばかり。



「…さすがに日本人はいないなぁ」


「うん」



尚貴はパーティだと訊いて黒のタキシードに身を包んだ。
私も淡いピンクの可愛いパーティドレス姿。
指には尚貴のくれたダイヤのエンゲージリングとマリッジリングを嵌める。


青い目の外国人が多い中、黒い髪と瞳の東洋人の尚貴は目立つ。


「・・・」


尚貴を見つめる女性たちの視線が異様に熱い。


日本人はこう言う華やかな席では躊躇い…影で身を潜めるタイプが多いけど…
パーティの場に相応しい堂々とした尚貴の出で立ちに女性陣は興味をそそられている感じ。


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