社長の吐息プラチナの甘美な囁き
* * *


男性の一人暮らしの部屋に入るのは生まれて初めて。


リビングに入った途端、尚貴はシーリングライトのリモコンを操作して室内を明るくした。



黒いローボートに大きな液晶テレビ、計算されたように配置されたフロアライトに観葉植物のドラセナ。フロアランプ、棚も革張りのソファーも全て黒で統一。



テーブルだけがガラス製だった。



「座れ」


「うん」


「殺風景だろ?」


「シンプルでいいと思う」



「シンプルか…お世辞でも嬉しいよ」


尚貴はリビングに続くキッチンに立って私に飲み物を用意してくれた。











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