セックスフレンド
「そうだよ。オレは面倒くさい事が嫌いなんだよ」

「……っ」

あたしは涙が溢れてきた。

「何泣いてるんだよ? もうマナが泣いてても、オレは抱きしめたりしないよ」

冷たい口調で瑞希くんに言い放たれて、胸が苦しくなる。

「瑞希くん…あの人は彼氏じゃないの! 会社の先輩なの! ねぇ…」

「そんなことどうでもいいって。とにかく、もうオレはマナとは会わない」

「嫌だ……!」

「電話で話せば良かったな。泣かれるとかうっとおしいんだよ」

うっとおしい。
今まで、瑞希くんの口から聞いたことのない言葉。

あの優しい瑞希くんはどこにもいないんだ。
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