セックスフレンド
自分でも何杯目なのか分からないくらい。
あたしは飲んでいた。
酔いたくて飲み始めたのに。
ちっとも酔えないまま、お開きになってしまった。
ミカちゃんと哲也さんと、お店の駐車場で別れて、あたしは貴広の車に乗った。
「酒飲みすぎて気持ち悪くないか?」
貴広がエンジンをかけながら聞いてきた。
「平気。全然足りないくらいだよ」
「あと、どれだけ飲む気だよ?」
「うーん。記憶が飛ぶまでかな」
「それで、現実逃避するつもり?」
「えっ……」
あたしは言葉に詰まった。
「"瑞希"」
「その名前言わないで!」