セックスフレンド

自分でも何杯目なのか分からないくらい。
あたしは飲んでいた。

酔いたくて飲み始めたのに。
ちっとも酔えないまま、お開きになってしまった。

ミカちゃんと哲也さんと、お店の駐車場で別れて、あたしは貴広の車に乗った。


「酒飲みすぎて気持ち悪くないか?」

貴広がエンジンをかけながら聞いてきた。

「平気。全然足りないくらいだよ」

「あと、どれだけ飲む気だよ?」

「うーん。記憶が飛ぶまでかな」

「それで、現実逃避するつもり?」

「えっ……」

あたしは言葉に詰まった。

「"瑞希"」

「その名前言わないで!」




< 184 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop