セックスフレンド
「マナ、肉追加注文したから、どんどん食えよ」
トイレから戻ると、貴広が焼けた肉をどんどん皿に入れていく。
ふと、斜め前に座った、哲也さんの携帯に目が留まる。
瑞希くんは、一体、何の用事でかけてきたの?
もしかして──ありささんを紹介する為に会いたいとか?
想像しただけで、胸が苦しくなってくる。
これ以上、何も考えたくない。
「すみませーん。カシスオレンジ下さい」
あたしはお酒を注文した。
酔えば、瑞希くんのこと考えなくて済む。
なんて安易な発想なんだろう。
「マナ、それ何杯目だよ?」
「さぁ? 何杯目かな?」
貴広がお酒を飲み続ける、あたしを呆れたようにして見ている。