セックスフレンド
体の力が抜ける。

床にしゃがみこんで、わんわん泣いてしまった。

ミカちゃんが、「良かったね」そう言いながら、背中をさすってくれた。



手術室前に行くと、一家族の姿が目に入った。


「ねぇ? お兄ちゃんはどこが悪いの?」

小さな女の子がお母さんに聞いている。

「お兄ちゃん治るんだよね?」

もう1人の女の子も聞いている。

お母さんは、「大丈夫よ」と微笑んでいる。

お父さんは手術中のランプが消えるのを今か今かと待っているようだった。


あたしは、この人達が瑞希くんの家族なんだとすぐに分かった。





< 275 / 343 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop