セックスフレンド
だけど、あたしの気持ちは違う人にある。

これ以上、2人で過ごすことは出来ない──。



「じゃあ、オレ帰るから」

貴広が立ち上がった。

あたしは、玄関先まで見送ることにした。

これはいつものことだった。

そして、キスを何度も繰り返した後、貴広が帰っていく。

というのが、今までの2人だった。

でも、もうそんな時間は二度とこない。


「元気でなマナ。って言いたいところだけど、オレ達、明日も職場で会うんだよな」

「そうだね」

「何か困った事があったら、相談してこいよ」

「うん。ありがとう」

「幸せになれよ」

そう言って、貴広はあたしを抱きしめた。
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