セックスフレンド
中学生になると、オレは家族と距離を置くようになった。

それでも、父さんも母さんは、家に帰ると、

『お帰り、瑞希』

笑顔で迎えてくれた。

帰りの遅い日も、

『瑞希、ご飯温めたから食べて』

どこで何していたかなんて干渉してくることもなく、ご飯を用意してくれた。

高校生になってからもそれは変わらなかった。

社会人になってからは、時々、電話やメールをくれた。

いつもいつも。
父さんと母さんは、オレを包み込んでいてくれていたのに………

真っ直ぐな愛を受け止められなかったんだろう。

なんてバカなんだろう。
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