セックスフレンド
思い出した。

瑞希くんと、初めて出会った日。

あたしは失恋して落ち込んでいた。

ミカちゃん達と飲みに行った後、カラオケに行くことになったんだけど、あたしと瑞希くんは抜け出した。

そして、気が付くとあたしは車の中で眠っていて、この公園の駐車場に来ていたんだ。


「マナ。あそこに団地があるのは分かる?」

瑞希くんが指差した方を見る。

少し離れた場所に団地があった。

「あの団地がどうかしたの?」

「あの団地は、オレが昔、住んでた所」

「そうなんだ」

「実の母親の虐待から逃げる為にいつもここに来てた」

「……」
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