セックスフレンド
あたしは言葉を失う。

ここは、瑞希くんにとって悲しい思い出が詰まった場所でもあるんだね。


「マナと初めて会った日にここに来たのは、たまたまだけどな」

「うん」

「でも、この場所はオレ達の全ての始まりでもあるんだよな」

「そうだね」

「だからここで言おうって決めたんだ」

瑞希くんが真っ直ぐにあたしを見つめて言う。

大人びた表情に胸が高鳴る。


「前にも言ったけど、オレは昔、体を売ってお金を手に入れてた」

「うん…」

「開き直るわけじゃないけど、過去は戻せない」 






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