セックスフレンド




妊娠3ヶ月に入った頃、あたしは仕事を辞めることになった。

今日は仕事最終日。

定時でライン作業を終えて帰ろうとしていたら。


「斗真さん、元気な赤ちゃん産んで下さい」

同じラインの後輩の子が寄せ書きをくれた。

あたしはラインの皆に囲まれていた。

「ありがとう」

寄せ書きを受け取る。

送別会も開いてくれた時には花束もくれたのに。

嬉しくて涙が出そう。


「斗真、お疲れ様」


あたしに声をかけたのは貴広だった。


「大野さん、お世話になりました」

あたしは頭を下げる。

「休日出勤も残業も嫌な顔1つせず、いつも頑張ってくれたね」

「いいえ。そんなことないです」




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