セックスフレンド
「瑞希くん、今、大丈夫?」

「大丈夫だよ」

「あの土曜日なんだけど」

「うん?」

「会社の人と遊ぶことになったから、会えないんだ」

「そっか。分かった」

瑞希くんがそう言った時。

「瑞希、おかわりは?」

電話の向こうで女の人の声がした。

………

「あー。おかわりはいいや」

瑞希くんが答えている。

「……」
「……」

互いにに無言になる。

「ごめんね。皆いる時に電話して」

沈黙を破りたくて、あたしは口を開いた。

「いいよ。今日、会社の奴らと飲みに来てるんだ」

「そう。楽しんでね。じゃあまたね」

あたしは電話を慌てて切った。

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