危険な彼と危ない初恋
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私は、何か勘違いしてたみたい。
東京は、夢の溢れる都市。そう、田舎者の私にとってはただの憧れの場所だった。
たまに見るテレビでも、私はこの見違えるような風景に憧れを抱いていたんだ。
だけど、今私の周りでは人。人。人。
空港のなかでは、もう人で埋め尽くされている。まともに歩くことさえできない。
「もぅっ!なんなの?こんなんじゃいつまで経っても出られないじゃない!!」
「おい。美羽!目立ってんぞ!静かにしてろ。それに、都会ってもんはこんなもんさ」
「なによぉ。知ったかぶりなんてしちゃってぇ」
「は?お前なに言ってんだ?こんぐらい常識だろ?お前のカラッポな脳みそに叩き込んどけ!!」
「はいはい。分かりましたよーだ!!」
優雅は、口角を吊り上げて偉そうに笑っている。