Memory

アイスは当分やめておこうかな。


「さーHR始めるぞ～」


なんとも気の抜けるこの口ぶりは我らが担任、永瀬先生。


今日は配布物が多いみたい。


あんなにたくさんのプリント、何かあるのかなぁ。


「今日は体育祭についてのプリントを配布する」



…体育祭とな?

体育祭…あたしが学校行事の中で一番嫌いなソレはこの学校では５月に開催されるらしい。


配られてきたプリントには５月の下旬に春の体育祭が行われると書いてある。


体育すら参加してないあたしにどうしろってんだ。


今まで体育祭は法事とかまっとうに体調不良という理由を使って回避してきたけど…。


今回はそうもいかなそう。


なにせ…


「〝欠席不可能〝って…」


プリントに書いてあるこの５文字は呪いですか?


「あぁ!夜神には言ってなかったっけな。この学校の体育祭は、超・強制参加型春の体育祭なのさ!」


それ…
威張って言うことなんでしょうか?


「なになに～?月水は体育祭参加しないつもりだったの?」


凜子はニヤニヤしながら言う。


「ちが…そうじゃなくて!!今までこんなこと書かれたプリント見たことなかったんだもん」


「あぁ～確かにね。あたしたちも1年の時びっくりしたものね」


「そーそー」

凜子と菜々が言うとクラスの人たちも「そーいえば…」とか言ってざわつきだした。