人貸し屋

★零 壱

★レイside



「瓶を、開けたみたいですね」



「にゃあ・・・」



膝の上にいる夜が小さく啼く



「さて・・・どれくらいの欲が

 集まりますかね・・・?」



「くぅん・・・」



白い戌が庭から出てくる



「あら昼、

 どこに行っていたんです?」



「きゅ~ん・・・」



「迷子に?

 それは災難でしたねぇ・・・」



帰ってきた昼を軽く撫でる



「死んだ女を貸してくれ・・・

 愛されてますねぇ、彼女さん」



「にゃー」



夜が身を翻して1回跳ぶと

黒猫が人間の姿に変わった



「あらら・・・

 人間の姿になっちゃうんですか?」



< 14 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop