人貸し屋
本章 3

飛鳥 壱

☆アスカside



「痛いっ!やめて!」



何度も何度もそう言うのに

男の子が私の髪を引っ張る力は

全然緩まない



「ごめんなさい!

 痛いからやめて!」



「もう学校来ないって

 約束してくれるならやめるよ!」



「あははは!

 昨日もそれ言ってたじゃん!」



男の子たちは

笑いながら私を蹴る



「もうそれくらいにしときな」



ずっと静かにしていた女の子が

男の子に向かってそう言う



「もうすぐ3時間目が始まる」



「なんだ。もう時間切れか」



つまんねぇのと言いながら

最後にもう一度蹴る男の子



「先生に言うなよ。

 オレがおこられるんだから」



走っていくみんなを見ていると、

3時間目が始まるチャイムが鳴った



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