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ここは、動物園だ。
ただし、茅野にとっては、異世界の。


広大な島一つが丸ごとテーマパークになった、動物園島、通称『ゼロガーデン』。

茅野がここへ来てはじめて会った、フードやニット帽と眼鏡の男――ラビは、そんな動物園島で暮らす職員たちの管理を任されている副園長だ。
そして茅野は昨日から“見習い”として働きはじめたばかりの、新人飼育員。


先週まで至って平凡な女子高生だったはずの茅野が、どうしてこんな、実在するなんて聞いたこともないような生き物がいる土地で、動物園の飼育係なんてしているのか。

ことの始まりは彼女がここへ来た、今から一週間前。
すべては一週間前に――いや、もっと前から、始まっていたのかもしれない。