矢刺さる先に花開く


「長くなってしまい、すみませぬ。ごゆっくりお休み下さい」


一礼し、立ち上がる徳子。


「いいえ。またお話を致しましょうね」


そう言い、徳子の背中を見送るのが限界だった。


バタン、という鈍い音に振り向いた徳子は目を見開き、来た道を戻った。


「義姉上様!?義姉上様っ」


徳子に肩を揺すられる経子は今度こそ床に倒れ、苦しそうに呼吸をしていたのだ。


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